こんにちは、ナツキバレエアカデミー代表の秋山夏紀です。
今日はキッズクラスの発表会にまつわる、ちょっと細かいけど大事な話をします。衣装の話です。
キッズだけ衣装が「購入」な理由
うちの発表会では、ジュニア以上の生徒さんには一流のレンタル会社から舞台衣装をレンタルしています。でも、キッズ(幼児)の子たちだけは衣装を購入してもらっています。
「なんでいい衣装を着せてもらえないの?」って、内部から文句が出たこともあるんです。正直に言いますね。
でもこれには、ちゃんとした理由があるんです。
レンタル衣装は本番2週間前に届く
レンタル衣装っていうのは、本番の2週間前に届くんですね。
2週間前じゃ、子供たちはトイレの練習も何にもできないんです。数回着て練習ができるけど、もう本番ですよね。
でも、衣装を購入してもらうと、本番の4ヶ月前から衣装を着用して練習ができるんです。
衣装で「育てる」ということ
キッズって、みんな初めての舞台なんですね。親も子も。そしてトイレがまだ危うい時期。衣装を着てたってトイレに行くし飲み物も飲む。
4ヶ月前から衣装を着用するとどうなるか。
衣装を着用してトイレに行く練習ができます。 衣装を袋に入れて持って帰る。お家でどこに置いておくか。管理をする練習が、親も子もできるんです。
私たちの目的は教育なので。衣装っていう大事なものをどう扱ったらいいかっていうことを、高校生の子と同じ説明じゃ無理だろうと思うんですよね、幼児の子と親に対して。
だからすごい時間をかけて、じわじわ優しく説明していくんです。
「お母さん、雨の中素手で持ってこないでくださいね、ビニール袋に入れて持ってきてくださいね」とか。「子供がチクチクするって言ったら、ここだけちょっと中をテープで留めてあげてもらっていいですか?」とか。「子供たち、トイレの前でこうやって脱いでいこうね」とか。
最初の一歩を丁寧に歩む。 そのために購入してもらっています。
デメリットも正直に
買う分、ちゃっちいです。これは正直に言います。
レンタル衣装ほどの装飾性は持たせにくくて、レオタード素材の衣装なので、見た目もお子ちゃまな感じ。スワロフスキーがたっぷりついたゴージャスな衣装ではありません。
でも、教育的な価値を優先しています。頑としてメリット・デメリットを説明して、毎回これでやってきて、だいぶみんなが慣れてくれました。
衣装が子供を自立させる
衣装管理を通じて、子供たちにはこんな変化が起きています。
「ママ、私の衣装大事にしてね」
「ママ、雨だからこれに入れてこうよ」
「ママ、お名前は裏側に書くんだよ」
「ママ、私トイレに一人で行けるようになったよ」
自分の大事な衣装を汚しちゃったらもう替えがない。そのことを身をもって実感してもらう。お菓子を食べたいけど、今は衣装を着ているから我慢する——自分を律する気持ちが芽生えるんですね。
そして、「役員のお母さんたちが手伝ってくれたよ」って。感謝する気持ちも生まれています。
「子育ての敵」にならないこと
今までのバレエ教室って「バレエの空気感に従ってくれよ」っていう感じだったんですよ。小さい子のトイレとか知らないよ、親がサポートすればいいじゃん、みたいな。
でも私たちは、4歳の子が立派な16歳になるんですよっていう歴然とした事実に大真面目に向き合いたい。その第一歩を丁寧に、親も子も育むっていうことを大事にさせてもらっているんです。
お母さんたちから「子育ての敵」って思われないように努力が必要だなと思っています。先生に何を言われるかわからない、怖い、気に入られるようにしなきゃ——そういう関係性が幼稚園の時に始まっちゃうと、全てがボタンのかけ違いになっていく。
先生を味方に。子育てで大事なことを一緒に育んでくれる味方。 それが、幼児期のお子さんを預かる私たちの目標です。
そしてその結果、子供が自立するっていう、ものすごい副産物が生まれるんですよね。
他のバレエ教室から来た方には「そこまでこだわりがあるんですか?」って驚かれますけど、うちで最初から育った子たちにとっては当たり前。着々と階段を登っていっています。


